【解析事例】
「ボルト締結による部材の変形解析」
【目的】
上板の上面に精度が必要である場合、その付近をボルトで締め付けた際に上面が精度がどの程度変形するのかをボルトピッチをパラメータとして調べます。
【解析モデル】
図1は上板と下板を3本のボルトで締結した状態をモデル化した1/2モデルです。
図-1 解析モデル
【境界条件】
モデルの対称面(下図青色箇所)を平面保持(スライド支持)とし、下板の下面を3自由度固定(完全固定)とします。 部品同士の接触面の摩擦係数は0.2程度を設定します。
図-2 境界条件
【荷重条件】
図-3 荷重条件
【メッシュ作成】
変形が比較的大きいことが予想されるワッシャおよびその周辺のメッシュを細かく作成しています。
図-4 メッシュモデル
【解析結果】
変形スケールは200倍に拡大しています。ワッシャ周辺に大きな圧縮力が作用しているのがわかります。
【結果の評価】
図-5の変位抽出ライン上の変形量をプロットします。ボルトピッチが66.5㎜と狭いと、ボルト間で上面が2μm程度沈み込み、ボルトピッチが150㎜と広くすると、ボルト間で上面が浮き上がる現象が発生しています。この場合、ボルトピッチは100㎜程度に設定するのが最適であることがわかります。