2013年4月2日火曜日

温度変化に強い複合構造定盤の開発


こんにちは。今回は温度変化に強い複合構造定盤の紹介をします。
 一般に高い精度が要求される定盤には石やセラミックスが使用されますが、定盤が大型になるほどコストアップと重量アップがネックとなります。そこで我々は、コストダウンおよび軽量化を目的として、精度が要求される定盤ガイド面には石を、架台部分には製缶構造を用いた複合構造定盤の開発を行っています。
 複合構造定盤の問題点としては、製缶で用いられる鋼材と石の熱膨張係数が2倍程度異なることです。例えば、定盤周辺にモーター等の熱源があると、定盤上面の面精度の悪化に繋がることが懸念されます(図1)。そのため図2にイメージするように、温度変化が生じたとしても上面の面精度が悪化しにくくする工夫が必要です。
 
       

         図1 温度変化に弱い複合構造                   図2 温度変化に強い複合構造
   

 この課題について、試験体により実測検討した結果を紹介します。
◆ 試験体
試験体のサイズは石定盤部で350㎜×750㎜です(写真1)。石定盤と製缶架台の間には温度変化に対応できるような機構を設けています。
           
                         写真1 試験体

◆ 試験結果
 試験体の温度を4℃変化させました。仮に石定盤と製缶架台が剛結状態であれば、計算上11μm程度の変形が石定盤上面に生じてしまいます(図3左)。しかし、今回開発した複合構造定盤の石定盤上面の変形量は1μm程度(図3右)であり、従来構造に比べて温度変化による変形量が1/10以下に低減されています
 
図3 温度変化(⊿4℃)時の定盤上面変形量

 
 石定盤の大型化をお考えでしたら、是非私たちに一度お声がけ下さい。私たちが開発した複合構造定盤により、製造費コストダウンや軽量化が実現できると考えています。
 私たちの複合構造定盤にご興味のある方は、お気軽に下ボタンをクリックしてお問い合わせください。